ある治療院に勤めていた先生のもとへ、その先生を信頼して足の重い倦怠感と激痛を訴えて、患者さんが来院されました。
その患者さんは歩くのもやっとのことで、ベッドに横になってもすぐに身体を動かせません。その先生は、「大丈夫、大丈夫、すぐ楽になるからね」といい自信満々で治療を開始します。
しかし、30分経って十分治療をしたはずなのに一向に痛みは変わりません。むしろ仰向けの姿勢を維持しているのが辛いようで、「身体を動かしていいですか?」と聞いてきます。
その先生は、内心「おかしい、何か内臓の病変でもあるのだろうか」と思いつつ、冷汗を垂らしながら腰周囲の手技療法で処置をしています。40代の男性ですが、初診なので詳しいことは聴いていません。
患部である右足を直接施術していると、ますます重たさを強めてしまいます。こういう場合には、患部を直接触らず経絡を使った方がいいと知っていたので、患部の反対側に施術するも緩解せず手足や肘などの経絡を使ってもダメ、なす術がなく安静な姿勢を取らせるしか方法がなく、その場はテーピング処置をして何とかごまかして帰っていただきました。
施術直後の痛みの程度は10→9程度だったと思いますが、本当になす術がなかったのです。本当にショックでその晩は寝れなかったそうです。
実は、この先生というのは、17年前の私自身です。
当時、整形外科的な鍼灸と、ほんの少し東洋医学的な鍼灸を学んでいた私は、手技でもカイロプラクティックと推拿を学んでいたので十分効果をあげれると自信過剰になっていました。
後からこの患者さんの状態を伺ったのですが、脊柱管狭窄症と腰椎ヘルニアを患っていたとのこと、当時の私には、まだ対処する方法がわからない疾患でした。
この時、 「本格的に、腰を据えて基礎から東洋医学の勉強をしなければ、生きていけない」と強い決意を胸にしました。
ある高名な鍼灸の団体に所属し、名のある先生の内弟子となり、週に2回10年以上通い続け理論と技術を学んできました。
鍼灸を学ぶ場合、まず身体を触らせてもらう環境にないと習得が難しく、当時勤務していた治療院で脈診や腹診・背候診などの直接鍼をするところを、手技治療で行うことで、はや2年くらいでさまざまな疾患に対応できるようになっていました。
この時期に、同じ脊柱管狭窄症と腰椎ヘルニアを持っている患者さんに施術し、この手技療法で行うと痛みも与えず、わずか5か所くらいを指圧するだけで痛みが消失していくのです。
ぜひとも、この手技療法を少しでも多くの人に伝えたい。
痛みで苦しんだり、内臓疾患やアトピー性皮膚炎などの慢性疾患に悩む方々を治せる人を増やして行きたい・・・ そういう思いが強くなっていました。
そして、鍼灸治療を習得した現在、たくさんの方を治療させてもらっています。
しかし、鍼灸治療を学ぶ際に会得した手技療法を、鍼灸を扱えない治療家のために伝えたいという思いでこの空間手技療法協会を始めました。
私 は、28年前に鍼灸師になり、病院や整骨院に勤務し、鍼灸院の雇われ院長を二院経験し、その後現在の治療院を14年間経営してきました。その間カルテ数は 18930枚を越え、治療した方は、述べ7万人以上です。
鍼灸治療を現在の治療法で確立する15年前までは、内臓疾患など整形外科疾患以外の疾患は20%、整形外科疾患は80%という状態でした。
しかし確立してからは、
ここ10年、
内臓疾患40%、
整形外科疾患35%、
皮膚疾患(毛髪含む)9%、
脳神経疾患6%、
感覚器障害6%、
精神的障害は4%と 実に整形外科疾患35%、それ以外の疾患65%と言う風に逆転したのです。
この数字は、何を意味するかというと、患者さんが持つ病の深刻度として考えられます。
というのは、治療法が確立するまでの患者さんの意識としては、特にうちでなくてもいいという方が多かったように感じるからです。
もちろん、腰痛や肩こりでも、その患者さんとのコミュニケーションがしっかりと取れていれば非常にリピートがしてもらえるのですが、やはり、施術者として患者さんの身体の全ての症状を任せてくださいという心構えで接するのと、私は腰痛・肩こりの専門だからそれ以外は他の治療院で診てもらってくださいというスタンスでいるのとでは、患者さんサイドでもうわかってしまいます。
「ああ、この先生は信頼できる人だな、ここまで頼っても安心なんだな」
私自身、そう思っていますが、もちろんそうでない方もいらっしゃると思いますが、それは先生のビジョン(ありたい自分)次第だと思います。
ただ、現在の治療院過当競争時代に生き残るための、一つの戦略だと考えてみると必ず持っていた方が良いビジョンだと思います。
このままでは、その場しのぎの患者しか集まらない、いくら新規の患者が来ても、継続して来院されるような治療を出来ないので患者さんの信頼関係が構築出来ないのでした。
そ こで、きちんと鍼灸治療を学び直そうと本腰を入れ取り組んだところ、わずか数年で整形外科疾患以外の比率が40%になり、それと共に患者さんの信頼関係が 比べようがないほど高まり、リピート率が10倍以上アップし次から次へと増える不定愁訴に対して自信を深めていきました。
具体的には、
- 高齢者の移動する痛みを追わなくてもすっきり改善していくようになった。
- 逆流性食道炎などもやもやするようなハッキリしない症状に対して即効性が出せるようになった。
- たくさんの鍼や灸をしないと患者さんの信頼得られないという恐怖心が無くなってきた。
- 潰瘍性大腸炎やアトピー性皮膚炎、喘息、気管支炎といったそれまで手に負えなかった疾患にも結果が出せるようになった。
- いろんな症状に対して対応できるようになったので、高齢者や女性の不定愁訴の方などリピートしてくれる方が5割以上増え経営が安定してきた。
しかし、このように治療効果が上がるこの方法は、鍼灸師しかできないという諸刃の剣の部分があり、私は考えました。
そうだ!手技療法ならもっと幅広く多くの方が使えるようになる、整骨院に勤めながらでも、整体院を開かれている方でも、訪問マッサージをされている方でも、内科的な疾患を扱えるようになるのではないか?
そのように考え始め、周囲の人間に施術して聞いてみると、次のような点でとても望まれていることがわかりました。
- 即効性がある
- シンプルだが、再現性が高い
- 普段お使いの施術にミックスできる
- 患部に直接触れることが少ないのでギックリ腰や寝違えなどの患者さんにも効果抜群
- 東洋医学の古典を根拠にした信用できる技術
- 少しの力で最大の効果が得られるので女性でも出来る
- 10分くらいでとても効果があるので施術時間が短縮できる
- だから、1日に対応できる患者数が増える
- 高価で特別な道具や設備はいらない
- 鍼灸師でなくても出来る鍼と灸を使わない経絡テクニック
幸いなことに、私は鍼灸治療を本格的に学ぶにあたり、多くの患者さんを対象にこの手技治療を行ってきました。
そして、現在も治療院以外で施術を行い、その精度をあげてきました。
そうやって14年間かけて完成した手技療法がこの脈空間手技療法です。
以下のような例があります。
- 十数年来坐骨神経痛と腰痛に悩まされてきた患者さんが、3回の通院で改善
- 原因不明の呼吸困難と不眠で2年以上困っていた患者さんが、5回の治療で大幅に改善
- パニック障害で電車に乗れなかった状態の患者さんが、3回の治療で乗れるように改善
- 91歳の前立腺肥大の患者さんのめまいと耳鳴りの症状を1回の治療で大幅に改善
- 79歳女性の急性腰痛に対してわずか1回の治療で大幅に改善
- 常に頭痛に悩まされた患者さんが、たった1回の施術で改善
- 原因不明のめまいで5年悩まれた患者さんが、5回の通院で改善
- どの院でも手に負えなかったギックリ腰を、たった1回の施術で改善
- 原因不明の腰痛と腹痛に悩んでいた患者さんを、3回の通院で改善
- スポーツ障害で急激な膝痛を起こしていた患者さんが、たった一回の治療で改善
- 慢性的に5年間立ち仕事の後痛みで寝れなかった腰痛持ちの患者さんが、わずか3回で改善
- 逆流性食道炎で病院での治療をあきらめた患者さんが、3回の治療で改善
- 81歳の肺気腫持ちの患者さんの呼吸困難をわずか1回の治療で大幅に改善
このような例がある手技療法を学んでみたいという先生方が私の周辺でとても増えてきました。
2016年5月から10月まで熊本震災で被災された方のために、空間療法でボランティア支援をしてきた際の画像です。とても喜ばれました。10分くらいの短時間で効果が絶大なので先生方の手技に、ぜひ取り入れてみてはいかがですか?
現在は、セミナーという形式ではなく、有料の懇談会という形を取り、月に一度会合を開く予定にしています。時期はまだ未定ですので、興味がある方は問い合わせフォームからその旨を記載して送信してください。